膵体部の膵管狭窄を生じた膵管癒合不全の1小児例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Pancreas Divisum With Stenosis of the Pancreatic Duct
  • 症例報告 膵体部の膵管狭窄を生じた膵管癒合不全の1小児例
  • ショウレイ ホウコク スイタイブ ノ スイカン キョウサク オ ショウジタ スイカン ユゴウ フゼン ノ 1 ショウニレイ

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抄録

膵管癒合不全は比較的稀な疾患である.腹痛・嘔吐などの膵炎症状出現にはアルコールなどの二次的因子が影響することから成人発症例が多く,小児期での症状出現は少ないとされている.今回,不完全型膵管癒合不全の1小児例を経験した.症例は4歳女児,生来健康であったが,頻回の嘔吐を主訴に膵炎を発症し,その後も膵炎を繰り返した.精査にて膵体部に1.5cmにわたって高度の膵管狭窄が認められ,膵管狭窄のみられた膵体部を部分切除して,尾側の膵臓と空腸を端々吻合した.現在術後11か月が経過するが経過は良好である.切除した膵の組織検査では慢性膵炎による膵管上皮の脱落がみられており,近年慢性膵炎と膵癌の関係も報告されていることから,今後長期にわたる経過観察が必要と考えられた.

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参考文献 (25)*注記

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