先制鎮痛法による月経困難症緩和の試み

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タイトル別名
  • A Trial To Alleviate Dysmenorrhea
  • センセイ チンツウホウ ニ ヨル ゲッケイ コンナンショウ カンワ ノ ココロミ

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抄録

18~22歳の未妊婦で、月経困難症を有する15人を対象に、従来から月経困難症出現時に内服していたと同一鎮痛剤を、症状出現前から症状のピークを過ぎる月経周期日まで内服してもらい和痛をはかる先制鎮痛法を試みた。また、同じ和痛法を2月経周期に亘り実施し、その効果を調査した。なお、痛みの程度はWong-Bakerのフェイス・スケール法によって表現した。その結果、従来鎮痛法に比べ、より一層の和通効果を15人中13人に認めた。しかしながら、15人中2人には先制鎮痛法の和痛改善効果を認めなかった。また、15人中3人は和痛効果とは無関係に先制鎮痛法の副作用として、眠気を覚え、新しい鎮痛法に抵抗感があると訴えた。先制鎮痛法は一日あたりの鎮痛薬内服量が、従来法と同量4人、減量9人、増量2人であり、減量しても和痛効果を増強するものがあったことは特筆すべきことであった。先制鎮痛法は従来鎮痛法と比較して、さしたる副作用の増強もなく、一般化されるなら被験者の抵抗感もうすれ、月経困難症に悩む多くの女性に福音をもたらすと考えられた。

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