ヒョウモンチョウ2種(タテハチョウ科,ヒョウモンチョウ亜科)による食草外産卵と卵被食との関係

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タイトル別名
  • Off-host oviposition by two fritillary species (Nymphalidae, Argynninae) and its relation to egg predation

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抄録

ツマグロヒョウモンArgyreus hyperbiusとミドリヒョウモンArgynnis paphiaの食草外産卵について調べた.母蝶による産卵場所は,食草およびそれ以外のものを含むケージの中で,卵の被食率は野外の自然条件下で調べた.ツマグロヒョウモンは,食草にも食草外にも産卵したが,石や枯れ葉よりは生きた植物に多く卵を生み,また食草近くに多く生む傾向を示した.ミドリヒョウモンは食草から離れたケージの上部に産卵した.ミドリヒョウモンの卵の被食率は地表付近で高かったことから,本種の高所への産卵習性は,地上捕食者から卵を守るために進化したものと思われた.一方,しばしば見られたマグロヒョウモンの食草外産卵については,被食回避や,産卵習性の移行の可能性を検討した.

収録刊行物

  • 蝶と蛾

    蝶と蛾 60 (4), 268-276, 2010

    日本鱗翅学会

参考文献 (13)*注記

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