Surgical site infection高リスク群に対する予防的皮下ペンローズドレーン留置の有用性に関する検討

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  • The Efficacy of Subcutaneous Penrose Drains for the Prevention of Superficial Surgical Site Infections

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抄録

はじめに:消化器外科領域ではsuperficial surgical site infection(以下,s-SSI)に対する予防的皮下ドレーン留置に関する報告はこれまで少なく,その有効性は明らかにされていない.今回,当科にてs-SSI高リスク群に対し皮下ペンローズドレーン(以下,PD)を留置し,その有効性について検討を行った.方法:当科にて手術施行した症例のうち,創分類ClassIII,IV,およびClassIIで皮下脂肪20 mm以上の症例をs-SSI高リスク群と定義し,2008年4月~8月(後期)の期間,高リスク群全例に皮下PDを挿入した.比較期間を2007年11月~2008年3月(前期)とし,s-SSI発生率に関し比較を行った.結果:高リスク群の前期でのs-SSI発生率は42.6%であったのに対し,後期では8.00%であり,後期において高リスク群の有意な創感染率の低下を認めた(p<0.001).また,全症例(9.91%vs. 1.97% p<0.001),および創分類Class II(9.18%vs. 1.87% p=0.044),III(32.0%vs. 6.90% p=0.032),IV(50.0%vs .10.0% p<0.001)いずれの症例群でも後期において有意にs-SSI発生率の低下を認めた.考察:低コストであるPDによる予防的皮下ドレナージは,s-SSI予防の手段として有用性が高いと思われる.

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