頭部外傷を再生医療から考える(<特集>頭部外傷の最新の知見)

  • 安原 隆雄
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科脳神経外科
  • 伊達 勲
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科脳神経外科

書誌事項

タイトル別名
  • Regenerative Medicine for Traumatic Brain Injury(<SPECIAL ISSUE>Traumatic Brain Injury: Recent Advances)

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抄録

頭部外傷は一次損傷と,それに引き続いて生じる二次損傷とからなり,今日の再生医療は主として二次損傷の軽減を企図するものである.頭部外傷ではさまざまな遺伝子発現が経時的に変化し,各ポイントが再生医療のターゲットになりえるため,これまでもさまざまな神経保護薬が研究されてきた.しかし,最終的に臨床試験で有効性が示された物質は非常に少なく,期待が持たれる一方で大きな困難を伴う分野である.われわれは頭部外傷モデルラットに対するエリスロポイエチンの持続脳室内投与により,有効な治療効果を得ることができた.多能性を有する幹細胞治療や遺伝子治療も今後の発展が期待されるものであるが,安全性の確立を含めたさらなる前臨床研究が必要である.

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参考文献 (47)*注記

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