近藤効果の系譜―重い電子系と量子ドット― (解説)

書誌事項

タイトル別名
  • Recent Developments of Kondo Effect : Heavy Electrons and Quantum Dots
  • 近藤効果の系譜--重い電子系と量子ドット
  • コンドウ コウカ ノ ケイフ オモイ デンシケイ ト リョウシ ドット

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抄録

抵抗極小の現象に対する近藤効果による説明は多体効果の研究の本格的な幕開けを告げるものであった.不純物スピンに関する近藤効果の本質が明らかになるとともに,多体相関の研究は局所的問題から格子系へと展開し,重い電子系からさらには銅酸化物超伝導体を含め強相関電子系の磁性と超伝導というジャンルを形成した.一方,ナノサイエンスの舞台である二次元電子系の量子ドットにおける輸送現象にも近藤効果が本質的役割を果たすことが明らかになり,非平衡状態における多体相関が関心を集めている.近藤効果に淵源を持つこれら二大潮流の研究の現状と今後の動向について私見を述べる.

収録刊行物

  • 日本物理学会誌

    日本物理学会誌 65 (5), 316-323, 2010-05-05

    一般社団法人 日本物理学会

参考文献 (51)*注記

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