CS関連指標への経済危機の影響とモデレータとしての文化の役割

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タイトル別名
  • Influences of the Economic Crisis on Customer Attitudes and the Moderating Role of Culture
  • CS カンレン シヒョウ エ ノ ケイザイ キキ ノ エイキョウ ト モデレータ ト シテ ノ ブンカ ノ ヤクワリ

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抄録

激しい競争の中で企業は顧客を維持し獲得するため,顧客満足度(以下,CS)の向上に努力している.一方,最近の研究では,CSは企業成果や努力と関係のない経済変動を受けることが報告されている.本研究は,2008年後期に起こった経済危機の前後に実施した14の製品・サービスについてのCS関連指標(CS,知覚価値,企業イメージ)および消費者である回答者の文化特性の調査に基づき,CS関連指標に経済危機がどのような影響を及ぼすか,そしてその影響に消費者の文化特性がどのような違いを与えるかを分析したものである.その結果,(1)CSは経済危機による不況感により有意に上昇するが,知覚価値や累積尺度である企業イメージではそのような効果は認められない(2)CS関連指標への消費者の文化の影響として,高リスク回避の消費者はこれらの指標にプラスに,技術志向の消費者はマイナスに働く(3)経済危機のCS関連指標への影響に,リスク回避,集団主義の文化や主婦という属性がモデレータとして作用するというようなCSにおける経済変動のバイアスの存在や,消費者の文化特性のマーケティング戦略上有効となる示唆が得られた.

収録刊行物

  • 品質

    品質 40 (2), 225-233, 2010

    一般社団法人 日本品質管理学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (17)*注記

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