化学療法を受けている小児がんの子どもへの消化器症状マネジメントに関する生活指導の実態

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タイトル別名
  • A Survey of Self-Care Education for Alimentary Canal Symptom Management in Children with Cancer During Chemotherapy
  • カガク リョウホウ オ ウケテ イル ショウニ ガン ノ コドモ エ ノ ショウカキ ショウジョウ マネジメント ニ カンスル セイカツ シドウ ノ ジッタイ

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抄録

化学療法を受けている小児がんの子どもへの消化器症状マネジメントに関する生活指導の実態と、これらに影響を与えると考えられるマネジメントツール使用状況とその関連を明らかにすることを目的に、小児がん治療研究グループ参加施設の看護師長を対象にアンケート調査を実施し、有効回答131件を分析した。その結果、消化器症状マネジメントにおける生活指導の実施内容として抽出された構成概念は、食事、活動・休息、清潔、薬剤の4要素から成り立っており、食事は主要な要素となっていた。生活指導実施状況では、口内炎・粘膜炎と下痢の2症状において清潔面が多く実施されており、嘔気・嘔吐、味覚変化、便秘の3症状において食事や活動・休息に関する実施は少なかった。マネジメントツールの使用率では、消化器症状の生活指導時に説明媒体を用いている病棟は2割、薬理的介入プロトコールの使用は6割で、両者ともに病棟種間で有意差はなかった。アセスメントスケールの使用は2割〜6割と病棟種間で有意差を認めた。マネジメントツールの使用と生活指導実施状況の関連については、説明媒体の使用の有無においてほとんどの生活指導項目で有意差があり、生活指導の実施とその際の説明媒体の使用を用いることには関連が認められた。以上の結果から、消化器症状マネジメントにおける生活指導の実施では、食事や清潔の内容を中心に発達段階に合わせた説明媒体を活用することが重要であり、その前提となる病気や病態の説明を含めた情報提供・プレパレーションの充実が求められていた。アセスメントスケールや薬理的介入プロトコールの活用、個々の状況に応じた非薬理的ケアを積極的に進めることが、消化器症状セルフマネジメント支援に繋がることが示唆された。

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