1828年シーボルト台風(子年の大風)と高潮 Siebold Typhoon in 1828 (Otherwise "Nenotoshi" Typhoon) and Induced Storm Surges

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抄録

過去300年で最も強大とされる1828年シーボルト台風(子年の大風)について,古文書,シーボルトによる観測記録等を元に,災害の実態,原因,台風の勢力,高潮の状況を調べた.その結果,(1)佐賀藩の被害は,死者数が8,200~10,600人,負傷者数が8,900~11,600人,全壊家屋が35,000~42,000軒,半壊家屋が21,000軒程度である.佐賀藩の人口を36~37万人とすると死亡率は2~3%となる.また家屋数を8万軒とすると,建物の全壊率は約50%,全半壊率は75%程度となる.(2)北部九州での被害は,死者数が13,000~19,000人,全半壊家屋が120,000軒以上である.(3)台風は長崎県の西彼杵半島に土陸し,佐賀市北部を通って北部九州を縦断し,周防灘から山口県へ再上陸したものと思われる.中心気圧は935hPa程度,最大風速は55m/s程度と考えられる.(4)顕著な高潮被害が有明海,周防灘,福岡湾等で生じている.上の推定を基にした高潮数値シミュレーションによれば,それぞれの港湾で4.5m,3.5m,3mを超える最大潮位偏差となり,古文書による被害地域とよく一致する.(5)台風による高潮害の特徴は,類似のコース,勢力で九州北部を通過した台風9119号で観測された高潮とよく一致しており,台風経路の推定が妥当であること及びこのコースが北部九州地域にとって極めて危険であることがわかった.

収録刊行物

  • 天気

    天気 57(6), 383-398, 2010-06-30

    日本気象学会

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キーワード

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    110007642324
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00151568
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    ART
  • ISSN
    05460921
  • NDL 記事登録ID
    10763476
  • NDL 雑誌分類
    ZM43(科学技術--地球科学--気象)
  • NDL 請求記号
    Z15-35
  • データ提供元
    CJP書誌  NDL  NII-ELS  NDL-Digital 
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