モンゴルにおける家庭内祭祀の動態 : 社会主義体制下の宗教統制を経て

書誌事項

タイトル別名
  • The Dynamism of Household Rituals in Mongolia : In Consequence of Religious Control Under the Socialist System
  • モンゴル ニ オケル カテイ ナイ サイシ ノ ドウタイ シャカイ シュギ タイセイ カ ノ シュウキョウ トウセイ オ ヘテ

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抄録

1990年の社会主義崩壊以降、モンゴルの宗教状況は劇的に変化してきた。社会主義時代にはほぼ全ての宗教活動が禁止されていたが、民主化以降、仏教などの在来宗教が復興し、キリスト教などの外来宗教が目覚ましい展開を見せている。教団レベルで論じるなら、これらの現象を「宗教の復興」と記述することができるかも知れない。しかし、個人的なレベルでは、宗教は社会主義時代を通じて存在し続けていた。本稿では、社会主義とそれ以降を連続的に捉えるためのひとつの枠組みとして「家庭内祭祀」に焦点を当て、その動態について現地調査をもとに分析を試みている。家庭内祭祀は社会主義以前の習慣の残存としてあるだけではなかった。「家庭」は、粛清や社会主義的組織化によって公共の領域から宗教が排除されていくなかで、信仰が表現されるための重要な場となり、一方で定住化などによる社会環境の変化に対応しながら、宗教の個別化と多様化を促進してきたのである。

収録刊行物

  • 宗教と社会

    宗教と社会 11 (0), 63-84, 2005

    「宗教と社会」学会

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