日本産Lobesia属(鱗翅目,ハマキガ科)の分類学的再検討と1新亜属の記載 A Revision of the Japanese Species of the Genus Lobesia GUENEE (Lepidoptera, Tortricidae), with Description of a New Subgenus

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Lobesia属はハマキガ科Tortricidae,ヒメハマキガ亜科Olethreutinaeに属し,外見が非常に類似した小型の種からなるグループで,現在まで主として全北区,東洋区,オーストラリア区から100種以上が記載されている.日本からはこれまで5種-botrana([DENIS & SCHIFFERMULLER]),reliquana HUBENER, aeolopa MEYRICK, mieae KAWABE, coccophaga FALKOVITSH-が記録されている.今回,日本産Lobesia属約600個体について詳細な比較検討をおこなった結果,従来知られていた種(日本からの記録には疑問があるbotranaを除く4種)以外に,1新記録種(bicinctana DUPONCHEL),3新種(arguta sp. nov., virulenta sp. nov., yasudai sp. nov.)を認め,これら日本産8種を2亜属に分類した.本論文では属および日本産亜属を定義し,種について詳細に記載した.[属の特徴]Lobesia属は次の4つの固有新形質によって特徴づけられる. 1)前翅前縁部には縁紋(pterostigma)がある. 2)第2腹節腹板にある鱗片が密生した一対の袋状構造および後脚のtibia基部からでる毛束の組合せからなる発香器官がある. 3)雄交尾器のpedunculusは前縁部に先端が尖った突起物をもつ. 4)雌交尾器のsterigmaは第7腹節の腹板下の膜状嚢の中に存在する.[亜属の特徴]日本産亜属は次の固有新形質によって特徴づけられる.Lobesia亜属 1)雌の第7腹節腹板の後縁部は硬化した構造物(limen)をもつ.Neolobesia亜属(新亜属) 1)前翅はchordaを欠く. 2)Cucullusの剛毛は背縁部にのみ生じる. 3)Aedeagusの背面に一対の突起を生じる.[日本産Lobesia属]Lobesia亜属 1. L. reliquana (HUBNER)ホソバヒメハマキ 以下の4種とよく似ているので,正確な同定のためには雌雄交尾器を検鏡する必要がある.本種の雄は後翅が白色半透明(他種は淡灰褐色)であることで他種から区別できる.分布:日本(北海道,本州,四国);ユーラシア大陸に広く分布する,寄主植物:日本では不明.ヨーロッパではま広葉樹やキク科草本植物が記録されている. 2. L. arguta BAE et KOMAI(新種) トドマツチビヒメハマキ(改称) 前種および次の3種と類似するが,黄褐色の斑紋が明瞭に現れ,基斑が二分されることにより他種から区別できる.本種の雄は類似種中で後翅が半透明でない唯一の種である.分布:日本(北海道,本州).寄主植物:モミ属,トウヒ属,ツガ属. 3. L. virulenta BAE et KOMAI(新種) 次種と外部表徴では区別できない.雄交尾器のaedeagusおよび雌交尾器のsterigmaの形状がわずかに違う.分布:日本(北海道,本州,四国).寄主植物:カラマツ,ナシのほかエゴノネコアシアブラムシのゴールも食する. 4. L. yasudai BAE et KOMAI(新種) 前種と外部表徴では区別できない.分布:日本(北海道,本州).寄主植物:ノリウツギ,ハマナス,シュウリザクラ. 5. L. aeolopa MEYRICK ホソバチビヒメハマキ 前4種と類似するが,本種の前翅は他種に比べてやや暗い.ただし,この特徴は個体変異があり,より明るい個体も出現する.分布:日本(北海道,本州,九州,琉球);南アジアに広く分布する.寄主植物:アキニレ,ビワ,ソメイヨシノ,ブドウ,チャ,カキなど. 6. L. mieae KAWABE ミエヒメハマキ 黄榿色の中帯をもつことで他種から区別できる.分布:日本(本州).寄主植物:オモト. 7. L. bicinctana (DUPONCHEL)(日本新記録種) 外側に向かって角をなす暗褐色の基斑と内側で淡黄土色の帯(地色)と融合する黄土色の中帯が本種の特徴である.分布:日本(北海道,本州);ユーラシア大陸に広く分布する.寄主植物:ヨーロッパではネギ属が記録されている. Neolobesia亜属 8. L. coccophaga FALKOVITSH スイカズラホソバヒメハマキ L. reliquanaとその近縁種と斑紋がやや類似するが,本種の頭部は暗黄褐色である.分布:日本(本州,四国,九州)韓国,沿海州.寄主植物:スイカズラ.

The Japanese species of the genus Lobesia are revised. The monophyly of the genus is supported by the possession of four autapomorphies. Eight species occurring in Japan are classified in two subgenera : seven species belonging to Lobesia and one to Neolobesia nov. Three new species, Lobesia (Lobesia) arguta, L. (L.) virulenta, L. (L.) yasudai, are described. Lobesia (L.) bicinctana (DUPONCHEL) is newly recorded from Japan. Adults, wing venation, and genitalia of both sexes are illustrated. Host plants are listed. Keys are provided for all the known subgenera and the Japanese species.

Journal

  • Lepidoptera Science

    Lepidoptera Science 42(2), 115-141, 1991

    THE LEPIDOPTEROLOGICAL SOCIETY OF JAPAN

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    110007707887
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AN00147618
  • Text Lang
    ENG
  • ISSN
    0024-0974
  • NDL Article ID
    3734233
  • NDL Source Classification
    RA84(動物一般・分類・進化--昆虫)
  • NDL Source Classification
    ZR4(科学技術--生物学--動物)
  • NDL Call No.
    Z18-73
  • Data Source
    NDL  NII-ELS  J-STAGE 
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