福祉政治の理論とアメリカの社会的内実-"いまあるような福祉の終焉"の再検討-

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タイトル別名
  • The New Politics of the Welfare State in the United States -Rethinking "The End of Welfare as we know it."-
  • フクシ セイジ ノ リロン ト アメリカ ノ シャカイテキ ナイジツ イマ アル ヨウナ フクシ ノ シュウエン ノ サイケントウ

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抄録

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デモクラシーや市場経済について、世界各国にひとつのモデルを提供してきたアメリカ合衆国だが、福祉国家に関しては様々な問題点を露呈している。公的皆保険の欠如、社会的扶助の受給者に対するスティグマ(焙印)、資産状況を反映する福祉供給の格差などである。世界で最も豊かなアメリカのなかに想像を絶する貧困と格差が存在する現実は「もうひとつのアメリカ」として考察の対象とされてきた。その鍵を握るのは福祉レジームの特異性であると考える。本論では、福祉政治の主要な理論として、パワーリソース理論、新制度論、言説理論を紹介し、これらの枠組みがアメリカの社会的内実を理解する上でどこまで有効であるのか検討する。国民皆保険をめぐるアメリカ政治のジレンマや、"いまあるような福祉の終焉"と呼ばれるクリントン改革の帰結を分析することによって、福祉をめぐるアメリカ政治の問題状況を明らかにしたい。

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