自然発症2型糖尿病ラット歯肉の末梢血管の変化に関する研究

  • 千葉 朋義
    日本歯科大学新潟生命歯学部歯周病学講座
  • 佐藤 聡
    日本歯科大学新潟生命歯学部歯周病学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Study of the Change in the Peripheral Artery of Spontaneously Diabetic Rat's Gingiva

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抄録

糖尿病は糖代謝の異常によって起こる疾患で,血液中のブドウ糖濃度が病的に高まることによって網膜症,腎症,神経障害など特徴的な合併症をきたすことが知られている.さらに糖尿病による口腔内の変化としては,これまで唾液分泌量の低下から起こる口腔乾燥症や歯周病の発症または重症化などについて多く報告されている.このような糖尿病下にある患者の治療では,細小血管症やアシドーシス,さらに糖・タンパク代謝異常などから治療の侵襲に対する抵抗力の減弱と併せて,創傷治癒の遅延を生じるとされている.そこで,糖尿病が歯周組織中の末梢血管に及ぼす影響について組織学的ならびに生化学的に検討を加える目的で,ラット口蓋歯肉のサブスタンスP受容体(NK1R)ならびに,血管作働性小腸ペプチド(VIP)受容体1(VIPR1)の分布について免疫組織化学的に,さらに歯肉中のタンパク発現量について検討を加えた.その結果,2型糖尿病ラットの歯肉内のNK1RとVIPR1は,毛細血管周囲に強く,上皮下の炎症性細胞が確認された結合組織中に一致して局在が確認された.さらにVIPR1は,糖尿病罹患下で有意に減少していた.

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参考文献 (45)*注記

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