障害者自立支援法における応益負担原則導入の問題点  [in Japanese] The problems of users' charge in welfare services for the disabled  [in Japanese]

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Abstract

2005年に成立し,2006年4月から実施に移された障害者自立支援法の主たる内容は,介護保険制度の給付体系に合わせて保健福祉サービスを再編成するとともに,利用者負担の原則を「応能負担」から「応益負担」に変更した点にある。サービス経費の定率l割負担を原則とする同法の施行以降,サービス利用の多い重度の障害をもつ人ほど負担額が生計費を圧迫し,利用を自己抑制する障害児者が増加している。この点に関して,障害児者・家族団体や事業者団体等から批判が集中し,国会でもこの問題がとり上げられ,国は法施行の初年にもかかわらず,利用者負担の軽減,事業者に対する激変緩和等の措置をとることを余儀なくされた。本稿では,障害者保健福祉サービスの利用者負担に焦点を当て,応能負担原則は「福祉的配慮」に立脚しているのに対して,応益負担は利用者負担が生計費に与える影響をいっさい顧慮しない,新自由主義的「平等」観にもとづく負担方式であることを指摘している。また,障害者自立支援法に先立って導入された介護保険制度における応益負担原則が,サービス利用の自己抑制をもたらした事実をあげ,障害者保健福祉分野に応益負担が導入されるとどのような問題が生じるのかについて,施行後の状況もふまえ,福祉における共同体を破壊するとともに,ノーマライゼーション原理に反すると述べている。さらに,公共サービスの利用者負担のあり方を原理的に考察するために,税財政法学の知見に依りつつ租税民主主義の立場から検討し,「応能」であれ「応益」であれ,利用者に負担を課す方式は,保健福祉サービスの公共性という観点から見て妥当とはいえないと論じている。障害者自立支援法応能負担応益負担租税民主主義

Journal

  • Journal of the Faculty of Social Welfare

    Journal of the Faculty of Social Welfare (3), 59-72, 2007-03

    Bukkyo University

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    110007975019
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AA12013741
  • Text Lang
    JPN
  • Article Type
    departmental bulletin paper
  • Journal Type
    大学紀要
  • ISSN
    13493922
  • NDL Article ID
    8773009
  • NDL Source Classification
    ZE5(社会・労働--社会問題・社会保障)
  • NDL Call No.
    Z71-N276
  • Data Source
    NDL  NII-ELS  IR 
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