<総説>発達障害の臨床・基礎研究における認知神経科学の意義とその展望

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タイトル別名
  • Signifi cance of Cognitive Neuroscience in Clinical and basic research for developmental disorders and its future perspectives
  • 発達障害の臨床・基礎研究における認知神経科学の意義とその展望
  • ハッタツ ショウガイ ノ リンショウ キソ ケンキュウ ニ オケル ニンチ シンケイ カガク ノ イギ ト ソノ テンボウ

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抄録

発達障害増加の原因として,診断基準の変化,支援体制の社会整備,障害観の変化,未熟児医療の進歩による極小未熟児の増加,社会脳(前頭葉)を育てにくい社会環境の変化等の複合要因が想定されている。発達障害は認知神経科学の進歩により前頭葉の機能障害であることが明らかになるにつれて,脳内メカニズムが急速に解明され治療戦略に有効な情報として期待されている。前頭葉機能の発達順序は,まず行動抑制が出現し,次にワーキングメモリ,実行機能が順次認められてくる。神経科学による研究からADHD の病態モデルは前頭葉皮質-線条体-視床-前頭葉皮質回路が提唱されている。今後,発達障害の療育は,個別支援に加え関係性を通した支援を達成するため地域支援整備の充実が求められている。

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