現代ポーランドポスターの特質について
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- 松浦 昇
- 金沢大学教育学部
書誌事項
- タイトル別名
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- The Characteristics of Modern Polish Poster Art
抄録
1950年代は,ポーランドにとって不幸な時代であったが,ポーランドポスター史にとって重要な意味をもった時代であった。40年代後半から50年代の始めにかけてデビューしたデザイナーは,社会主義リアリズムの教義から脱し,個人の造形思考を優先させ,絶え間ない競争の中でその時期のポスターにおける様々な新しい造形形式の成立を促した。ポスターにおける新しい表現手段,方法への絶えざる追求は,広い人間的な見通しに立って直接的な実用性を超越し,具体的なメッセージばかりでなく幅広い普遍的な内容をもたらした。その結果,ポーランドポスターは,応用美術の産物ではなく,芸術的な価値あるものと認識され,多面性と多様性,多くの意味を含んだ伝達手段として,国民から支持されるようになった。そのポーランドポスターの特質は,傑出したデザイナー,ヤン・ムウォドゼニェツとミエチスワフ・グロフスキのポスターから考察すると,グロテスク,民族芸術の影響,そして,ヒューマニズムである,といえる。
収録刊行物
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- デザイン学研究
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デザイン学研究 1992 (89), 71-78, 1992
一般社団法人 日本デザイン学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680388921728
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- NII論文ID
- 110008444774
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- ISSN
- 21865221
- 09108173
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可