近世初期風俗画に見られる看板意匠 : 看板意匠の原像とその展開過程に見られる諸特質

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タイトル別名
  • The Signboard Design on FUZOKU-GA in Pre-Modern Ages : Properties of the Signboard Design on its Developing Stage

抄録

本稿は、近世初期風俗画に描かれた看板の図像を基礎資料として、看板の形状、大きさ、形状と業種との対応、図案・文字と業種との対応、町家形式と看板の掲出方法・掲出位置との対応などについて、観察・解析したものである。その結果、次の諸点を明らかにした。(1)江戸時代後期に燗熟期を迎える看板意匠の原形は、16世紀初頭から17世紀末期までのおよそ200年の間に確立された。(2)上記200年の間に、看板形状は多様化し、その大きさも拡大していく傾向が見られる。また、その掲出方法の多様化も顕著である。(3)上記200年の間に、看板形状と業種との間に、また、看板図案と業種との間に、優れた規則的対応関係が生まれた。このことは、看板が商品そのものを表象する標として、社会的・文化的に定着したことを意味する。(4)近世初期風俗画に描かれた看板意匠の諸特質は、看板意匠が生産的活動に随伴しながら発展したことをよく物語っている。

収録刊行物

  • デザイン学研究

    デザイン学研究 1988 (69), 37-44, 1988

    一般社団法人 日本デザイン学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680389728640
  • NII論文ID
    110008447871
  • DOI
    10.11247/jssdj.1988.37_4
  • ISSN
    21865221
    09108173
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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