口腔衛生学実習の一環として実施した歯科学生による中学生への歯科保健指導 : 中学生の口腔衛生意識向上とその要因

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タイトル別名
  • The Factor Related to the Increase of Awareness in Oral Health Promotion for Junior High School Students
  • コウクウ エイセイガク ジッシュウ ノ イッカン ト シテ ジッシ シタ シカ ガクセイ ニ ヨル チュウガクセイ エ ノ シカ ホケン シドウ チュウガクセイ ノ コウクウ エイセイ イシキ コウジョウ ト ソノ ヨウイン

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抄録

歯科医師にとって,対患者だけでなく,地域社会における歯科の専門家として,健康な人を含めた対住民のコミュニケーションの確立は忘れてはならない重要事項である.広島大学歯学部では,口腔衛生学実習の一環として,地元中学校で歯科保健活動を行ってきた.この公衆衛生的な予防活動は,受け手である中学生に伝わってきたのであろうか.そこで今回,保健指導直後,対象者全員に対して質問紙調査を実施し分析を行った.質問紙調査の結果,歯学部生による歯科保健指導の実施は,中学生に対して『口腔衛生意識の向上』を認めた.Fisherの直接法にて分析を行うと『自身の刷掃技術の未熟さ』を感じたものに,「今後もしっかりと歯磨きしたい」という『口腔衛生意識の向上』を示す生徒が多かった(p<0.01).しかしその他の回答との間に関速性は見出せなかった.歯垢染色により自身の刷掃レベルを知ったことが,今後も刷掃に取り組もうという意欲につながったことが推測される.また歯垢沈着部位の明示は,生徒側だけでなく指導経験の浅い学生側にとっても,指導すべき部位を具体的に判明させるという効果があった.したがって本研究結果から,歯学部生による地元中学校での歯科保健活動は,公衆衛生的な予防活動として機能し,また中学生に対して歯科保健指導を実施する際には,歯垢染色を基本に,発展的な工夫を実施するのがさらに効果的なことが示唆された.

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参考文献 (12)*注記

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