フッ化物洗口の都道府県別にみた普及の推移 : 国の政策が果たした役割の検討

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  • Change in Conditions Affecting the Regional Spread of School-based Fluoride Mouth Rinsing : Study on the Role of National Policy
  • フッカブツ センコウ ノ トドウフケン ベツ ニ ミタ フキュウ ノ スイイ クニ ノ セイサク ガ ハタシタ ヤクワリ ノ ケントウ

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抄録

2003年1月に厚生労働省はフッ化物洗口ガイドラトンを都道府県知事宛に通知した.これに先行して「健康日本21」の歯の健康項目の策定と「8020運動推進特別事業」が展開されてきた.これらの施策がその後の都道府県全体における集団フッ化物洗口の普及にどのような影響を及ぼしたかを検討したところ,国の施策実施前後の2000年頃を境に全国の約4分の1にあたる府県で集団フッ化物洗口の増加を認めた.また,1994年から2008年のデータをもとにフッ化物洗口実施率を目的変数としたマルチレベル分析を行ったところ,調査年度間と都道府県間に統計学的に有意な差を認めた.調査年ごとに平均0.48%の実施率の上昇,およびガイドライン実施後はそれに加えて1.31%の実施率の上昇が認められた.よって,フッ化物洗口ガイドラインは集団フッ化物洗口の拡大に有意に影響を及ぼし始めていることが推定された.以上のように,歯の健康づくりに国の各種施策が果たした役割は大きいことが示唆された.

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