乳歯列口腔内診査における視診およびQLF診査結果の比較検討

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  • Comparison between Visual and QLF Examinations of Incipient Caries in Deciduous Dentition

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抄録

本研究は乳歯列の口腔保健状態の診査において,主観的診査法である視診と客観的診査法であるquantitative light-induced fluorescence(QLF)法によって得られた結果の関係を明らかにすることである.大阪府下の保育園児119名(4-5歳)を対象に診査を行った.視診型の診査ではデンタルミラーとCPIプローブを用い,健全・修復(シーラントを含む),う蝕,初期う蝕の診査基準によって診査を行った.一方,QLF法による診査では,第二乳臼歯の咬合面と唇側面,乳切歯の唇側面を対象に視診型の診査と同じ基準で画像診査を行った.診査の結果,視診型による診査で検出された初期う蝕35歯面に対して,QLF診査では332歯面であり,両診査の間に初期う蝕の検出には約10倍の差が認められた.さらにQLF診査で修復と判定された134歯面は,視診では63歯面が修復と診査され,残りの61歯面は健全と判定された.これらの結果から,主観的診査法と客観的診査法を組み合わせた,新しい口腔内診査方法を確立する必要性が示唆された.

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