肥満減量治療におけるチーム医療の重要性 : 難治性肥満症への心理的アプローチの試み(シンポジウム:チーム医療における心身医学的アプローチ,2010年,第51回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(仙台))

書誌事項

タイトル別名
  • The Importance of the Team Medial Care for Treatment of Obesity with Psychological Approarch(Symposium/The Role of Psychosomatic Approach in Team Medical Care)
  • 肥満減量治療におけるチーム医療の重要性--難治性肥満症への心理的アプローチの試み
  • ヒマン ゲンリョウ チリョウ ニ オケル チーム イリョウ ノ ジュウヨウセイ ナンチセイ ヒマンショウ エ ノ シンリテキ アプローチ ノ ココロミ

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抄録

食事運動療法が主体である肥満減量治療の長期的効果は,いまだ不十分といわざるをえない.医療者は,患者に日常生活の抜本的改革を強いる前に,その病態のみならず,人物像までも把握して具体的対策を立案する必要があり,それには内科医に加え,精神科医,栄養士,看護師,臨床心理士,理学療法士などを含めたチーム医療が必要不可欠である.患者の理解をより深めるために性格特性分析が重要である.重症肥満症患者は,ロールシャッハ・テストにおいてハイラムダスタイル(L≧1.51,複雑であいまいな刺激を単純化する性格傾向)の出現頻度が健常者に比べ高いことが見出され,肥満治療における心理的アプローチの重要性が示唆された.すべてのメンバーが,多角的な視点を持ち寄って患者の問題点を共有し,一元化された方針に則って支持的なアプローチをしていく,現在の病態だけにとらわれない視点をもつことが,肥満症改善の鍵と考えられる.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 51 (8), 701-708, 2011

    一般社団法人 日本心身医学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (16)*注記

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