森林所有者の意思決定と社会関係 : 取引費用経済学の視点から

書誌事項

タイトル別名
  • Decision Making of Forest Owners and Social Relationships : A View from Transaction Cost Economics
  • シンリン ショユウシャ ノ イシ ケッテイ ト シャカイ カンケイ トリヒキ ヒヨウ ケイザイガク ノ シテン カラ

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抄録

森林所有者は経済学的な要因のみならず,社会関係の影響を受けて意思決定を行っていると考えられる。本稿は社会関係が森林所有者の行動に関与することを取引費用経済学の立場から理論的に示した上で,森林所有者と事業体との間の社会関係と森林所有者どうしの社会関係が森林所有者による保育と伐採という意思決定に及ぼす影響についての仮説を構築した。仮説の妥当性を秋田県および岩手県の森林組合員を対象とした郵送調査データに基づいて検討した。その結果,とくに森林所有者どうしの社会関係が森林所有者の意思決定に及ぼす影響が大きいことが明らかになった。その背後には,森林所有者どうしの社会関係は,事業体についての評判を流通させ,社会的不確実性を低減させる効果をもつというメカニズムが存在すると考えられた。

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