当院における前立腺癌に対する放射線外照射併用高線量率ブラキテラピーの治療成績

  • 坂本 直孝
    国立病院機構九州医療センター泌尿器科 国立病院機構九州医療センター臨床研究センター
  • 秋武 正和
    国立病院機構九州医療センター泌尿器科
  • 生駒 彩
    国立病院機構九州医療センター泌尿器科
  • 李 賢
    国立病院機構九州医療センター泌尿器科
  • 増田 克明
    国立病院機構九州医療センター泌尿器科
  • 吉川 正博
    国立病院機構九州医療センター泌尿器科 国立病院機構九州医療センター臨床研究センター
  • 井口 厚司
    国立病院機構九州医療センター泌尿器科 国立病院機構九州医療センター臨床研究センター
  • 渥美 和重
    国立病院機構九州医療センター放射線治療部
  • 松村 泰成
    国立病院機構九州医療センター放射線治療部 国立病院機構九州医療センター臨床研究センター
  • 上原 智
    国立病院機構九州医療センター放射線治療部 現:国立病院機構九州がんセンター放射線治療部

書誌事項

タイトル別名
  • CLINICAL OUTCOME IN PROSTATE CANCER PATIENTS UNDERGOING HIGH-DOSE-RATE BRACHYTHERAPY WITH EXTERNAL BEAM RADIOTHERAPY IN OUR INSTITUTE
  • 当院[国立病院機構九州医療センター]における前立腺癌に対する放射線外照射併用高線量率ブラキテラピーの治療成績
  • トウ イン コクリツ ビョウイン キコウ キュウシュウ イリョウ センター ニ オケル ゼンリツセンガン ニ タイスル ホウシャセン ガイ ショウシャ ヘイヨウ コウセンリョウリツ ブラキテラピー ノ チリョウ セイセキ

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抄録

(目的) 当院における局所限局および局所進行前立腺癌に対する放射線外照射併用高線量率ブラキテラピー(EBRT+HDR-BT)の治療効果を評価するため,PSA非再発率および有害事象について検討した.<br> (患者および方法) 2004年5月より2010年3月までの期間に当院にて局所限局および局所進行前立腺癌に対してEBRT+HDR-BTを施行した154例のうち,6カ月以上経過観察が可能であった113例を対象とした.経過観察期間の中央値は33カ月であり,対象患者の内訳は低リスク群12例,中リスク群65例,高リスク群36例であった.EBRT+HDR-BT後にアジュバント内分泌療法は全例施行していない.PSA再発はASTROのPhoenixの定義に準じた.<br> (結果) 低,中,高リスク群の5年PSA非再発率は各々100%,94.7%,59.2%であった.高リスク群の条件(≧T2c,Gleason score≧8,PSA>20ng/ml)を1項目のみ満たす症例と2項目以上満たす症例のPSA非再発曲線では58カ月のPSA非再発率は1項目のみの症例では87.4%,2項目以上の症例では26.9%であり,後者は有意にPSA再発率が高かった(p=0.022).Grade 3急性期有害事象としてはアプリケーター針抜去後の膀胱出血にて膀胱タンポナーデを生じ,経尿道的凝固術が1例で必要であった.晩期有害事象としてはgrade3泌尿生殖器有害事象が14.2%に認められ,その大部分が尿道狭窄であった.Grade 3の消化器有害事象は0.9%であった.<br> (結論) EBRT+HDR-BTは低,中リスク群においては非常に良好なPSAコントロールがえられた.今後,高リスク群の一部の症例での治療成績改善および有害事象発生率の低下のために治療プロトコールの変更や治療計画の改善が必要かもしれない.<br>

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参考文献 (30)*注記

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