日本近代文学の中の十勝

書誌事項

タイトル別名
  • "Tokachi"in the Japanese Modern Literature
  • ニホン キンダイ ブンガク ノ ナカ ノ トカチ

この論文をさがす

抄録

十勝が近代日本文学史の中でどのように描かれているかについて、先行文献を踏まえ年代順に記述する。明治時代に十勝を訪れた岩野泡鳴、徳富蘆花の足跡をたどり、佐藤春夫の動向について述べる。時代は下り、北海道旅行の途中に十勝を訪れた文学者の作品にふれる。中では、久保栄が戯曲「火山灰地」取材のために帯広、音更を訪れたことは、日本文学に十勝があらわれる契機となった。戦後は疎開者である福永武彦が帯広を舞台にした作品群によって文学的飛躍をとげた。十勝生まれの上西晴治が十勝を舞台にしてアイヌの物語を書きつづけ、大作「十勝平野」を完成させたことは、北海道にとっても日本にとっても大きな収穫であった。農民文学賞が十勝から二人も受賞したことも収穫であった。帯広の「市民文芸」から多くの書き手がそだったことも特筆される。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ