過酸化水素水中で動き回る白金粒子(ヘッドライン:東海支部企画-化学非平衡ならではの動きもの)

  • 田中 和哉
    同志社大学理工学部化学システム創成工学科
  • 伴 貴彦
    同志社大学理工学部化学システム創成工学科
  • 塩井 章久
    同志社大学理工学部化学システム創成工学科

書誌事項

タイトル別名
  • 過酸化水素水中で動き回る白金粒子
  • カサンカ スイソ スイチュウ デ ウゴキマワル ハッキン リュウシ

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抄録

直径が1μm程度の粒子は溶液の中でBrown運動とよばれる不規則な運動を示す。白金は過酸化水素を分解するための触媒として働くが,直径1μm程度の白金粒子を過酸化水素水中に入れると,粒子は通常のBrown運動よりも遥かに激しい自発運動を示す。この運動は,白金表面での過酸化水素の分解によって生じる化学反応のエネルギーに起因するものである。これは化学反応から直接運動が発生するもっとも単純な系の一つであると考えられる。本報では,この運動が発生する機構を考察する。また,様々な触媒粒子を用いると,運動を種々の方法で制御,利用できる可能性があることにふれる。

収録刊行物

  • 化学と教育

    化学と教育 59 (1), 12-15, 2011

    公益社団法人 日本化学会

参考文献 (3)*注記

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