在来コマツナギと中国産コマツナギで飼育されたミヤマシジミの生存と発育の比較

  • 江田 慧子
    Education and Research Center of Alpine Field Science, Faculty of Agriculture, Shinshu University
  • 中村 寛志
    Education and Research Center of Alpine Field Science, Faculty of Agriculture, Shinshu University

書誌事項

タイトル別名
  • Comparison of survival and development of Lycaeides argyrognomon (Bergstrasser) (Lepidoptera: Lycaenidae) reared on two different food plants, Indigofera pseudo-tinctoria and Chinese-grown Indigofera sp.

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抄録

ミヤマシジミの食草は在来のコマツナギであるが,近年中国産コマツナギが道路法面の緑化に使われるようになってきた.本研究では,ミヤマシジミ幼虫が中国産コマツナギを摂食して正常に成長するかどうかを確認し,その生存率と発育状態を在来コマツナギを食べた個体と比較した.孵化直後のミヤマシジミの幼虫を在来コマツナギ食43個体と中国産コマツナギ食65個体のグループに分け,25℃,16L:8Dの恒温器で成虫まで飼育した.♂の発育期間は♀より約2日ほど早かった.生存率,羽化不全率,発育期間に関しては,在来コマツナギ食と中国産コマツナギ食では差がみられなかった.蛹体重と前翅長の平均値は,在来コマツナギ食より中国産コマツナギ食の方が大きかった.これらの結果から,ミヤマシジミが中国産コマツナギを食草にする可能性を考察した.

収録刊行物

  • 蝶と蛾

    蝶と蛾 62 (3), 121-126, 2011

    日本鱗翅学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (18)*注記

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