北海道知床半島,天頂山火山の降下テフラ

  • 後藤 芳彦
    College of Environmental Technology, Graduate School of Engineering, Muroran Institute of Technology

書誌事項

タイトル別名
  • A Fallout Tephra from Tenchozan Volcano, Shiretoko Peninsula, Hokkaido, Japan

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抄録

北海道東部知床半島の天頂山は,安山岩質溶岩からなる小型の火山で,山頂部には北東-南西方向に配列する爆裂火口列がある.本論では,天頂山の爆裂火口列を形成した降下テフラ(Ten-a)の分布と年代を明らかにした.Ten-aテフラは天頂山の山頂部から知床半島の東海岸に分布し,東北東方向に伸長する分布主軸を示す.テフラは,新鮮~変質した安山岩質の石質岩片と新鮮な軽石からなり,マグマ水蒸気噴火の噴出物であると考えられる.テフラ直下の土壌層から得られた放射性炭素年代値は,1930±40 years BP(1960-1810 cal BP)である.天頂山は約1900年前に噴火し,山頂部に爆裂火口列を形成したと考えられる.

収録刊行物

  • 火山

    火山 56 (4-5), 137-145, 2011

    特定非営利活動法人 日本火山学会

参考文献 (22)*注記

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