松本歯科大学病院歯科矯正科におけるGoslon Yardstickを用いた上下顎歯列弓関係の評価

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of the dental arch relationship using the Goslon Yardstick

この論文をさがす

抄録

Goslon Yardstickは片側性唇顎口蓋裂患者の上下顎歯列弓関係を評価する方法で,唇顎口蓋裂治療の多施設共同研究において咬合関係の指標の一つとして世界中で用いられている.そこで,今回われわれは,将来日本における多施設共同研究に寄与することを目的として,松本歯科大学病院矯正歯科における唇顎口蓋裂患者に対してGoslon Yardstickを用いた評価を行い,以下の検討を行った.1997年9月から2007年3月に来院した片側性口唇口蓋裂患者81名に対して,Goslon Yardstick Calibration Courseを修了した2施設の5名によりGoslon Yardstickの評価を行った.資料は歯科矯正治療開始前で,平均年齢は7歳8か月の時点であった.評価結果は,group 1(非常に良い)1症例,group 2(良い)13症例,group 3(まずまず)19症例,group 4(悪い)44症例,group 5(非常に悪い)4症例で,group 4,5に分類されるものが48症例と全体の59%を占めた.また,同一評価者内の再現性は高く,評価者間の再現性も比較的高かった.評価者間における症例に対する一致率はgroup 3で37%と最も低い値を示し,その他のgroupと比べ評価が困難になることが示された.以上の結果より,今後Goslon Yardstickをわが国において適用する場合には,特にgroup 3を中心に評価者間の統一が必要であることが示された.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (11)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ