矯正歯科治療に伴う歯根吸収と宿主要因との関連性に関する臨床調査

  • 松田,弥生
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科顎口腔頸部医科学講座歯科矯正学分野
  • 本川,雅英
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科顎口腔頸部医科学講座歯科矯正学分野
  • 加来,真人
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科顎口腔頸部医科学講座歯科矯正学分野
  • 河田,俊嗣
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科顎口腔頸部医科学講座歯科矯正学分野
  • 山本,浄子
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科顎口腔頸部医科学講座歯科矯正学分野
  • 柄,なつみ
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科顎口腔頸部医科学講座歯科矯正学分野
  • 犬伏,俊博
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科顎口腔頸部医科学講座歯科矯正学分野
  • 笹本,智子
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科顎口腔頸部医科学講座歯科矯正学分野
  • 尾崎,徳継
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科顎口腔頸部医科学講座歯科矯正学分野
  • 小跡,弘幸
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科顎口腔頸部医科学講座歯科矯正学分野
  • 川添,亜希
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科顎口腔頸部医科学講座歯科矯正学分野
  • ABEDINI,Sara
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科顎口腔頸部医科学講座歯科矯正学分野
  • 丹根,一夫
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科顎口腔頸部医科学講座歯科矯正学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical survey of the association between root resorption incident to orthodontic treatment and host factors

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抄録

矯正歯科治療に伴う歯根吸収の発現様相を明らかにすることを目的として,過去3年間に広島大学病院矯正歯科を受診した患者のうち,マルチブラケット装置により治療を行った症例から無作為に抽出した243名(男性72名,女性171名)の患者の資料を基に,動的治療後の歯根吸収の発現状況について調査を行うとともに,宿主要因との関連性を検討し,以下の結果を得た.1.歯種別の歯根吸収については,上下顎前歯部が全体の80%以上を占めていた.2.性別では,男性の方が重度の歯根吸収を呈した歯数が有意に多かった.3.マルチブラケット装置による治療開始年齢については20歳以上において,歯根形態については短根歯において,不正咬合別では上顎前突症例において,重度の歯根吸収を呈した歯数が有意に多く認められた.4.さらに,外傷の既往を有する場合に歯根吸収を呈する歯数が有意に多く発症し,重篤化する傾向が認められた.本調査結果から,外傷の既往を有する場合に歯根吸収のリスクは高くなり,上下顎前歯部,特に歯根形態が短根の歯において重度歯根吸収が生じる可能性が高いことが示された.また,20歳以上や上顎前突患者の矯正歯科治療においては,他の不正咬合患者と比較して重度歯根吸収のリスクが高くなる可能性が示された.

収録刊行物

参考文献 (38)*注記

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