歯胚位置異常の上顎犬歯を移転排列した骨格性反対咬合症例

  • 間山 寿代
    岩手医科大学歯学部口腔保健育成学講座歯科矯正学分野
  • 福田 大介
    岩手医科大学歯学部口腔保健育成学講座歯科矯正学分野
  • 清野 幸男
    岩手医科大学歯学部口腔保健育成学講座歯科矯正学分野
  • 三浦 廣行
    岩手医科大学歯学部口腔保健育成学講座歯科矯正学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A case of the transposition of a displaced maxillary canine with skeletal class III

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抄録

初診時年齢9歳0か月の女児で,埋伏した上顎右側中切歯と位置異常の犬歯を伴った骨格性III級の一症例を報告する.埋伏した中切歯は逆生で歯根が屈曲していた.中切歯を抜去後,犬歯は抜去した中切歯の位置に自然に移動したが萌出は認められなかったため,上顎歯列にNanceのホールディングアーチを装着し犬歯の牽引を開始した.上顎犬歯はマルチブラケット装置を使用して十分なスペースを獲得した後,中切歯の位置に排列した.骨格性III級に対しては,上顎前方牽引装置を適用し顎間関係の改善を行った.マルチブラケットによる治療期間は,犬歯のスペース獲得のために11か月,牽引のために1年4か月,下顎を含めた全顎的な歯の排列のために2年11か月を要した.中切歯部に排列された犬歯は機能的にも問題はなく,形態修正を施すことにより審美的回復を得ることができた.

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参考文献 (11)*注記

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