1G3-H5 放射線の科学を理解するための大人向けイベントの開発と実施(教育実践・科学授業開発(3),一般研究,次世代の科学力を育てる : 社会とのグラウンディングを実現するために)

書誌事項

タイトル別名
  • 1G3-H5 Development and delivery of a lecture on basic radiology for adults

この論文をさがす

抄録

東北大震災により引き起こされた原子力発電所の放射線漏れに対し,関東地方でも子育て中の母親を中心に不安が蔓延した.連日報道される科学情報の量は非常に多いことから,このような漠とした不安や被災者に対する風評被害の原因は,科学情報の量ではなく,それらに対する理解の不足であると仮定し,理解の深まりが不安の解消あるいは軽減につながることを目的に大人向けイベントを開発・実施した.本イベントでは,放射線の基礎知識を理解するために,放射線の観察や計測の体験,不安や疑問の質問時間を設けるなど,体験性と双方向性を重視したプログラムとなるよう工夫した.約一ヶ月間で,関東地方の児童館を中心に15回開催し,311名の参加者があった.そのうち約200名のアンケートを解析した.その結果,参加者の中心は20〜30代の女性であり,印象に残った内容は,会場の放射線量の測定,簡易実験,基礎講義,Q&Aの順に続き,観察や体験の重要性が示唆された.また,本イベントにより,放射線の基礎理解が進み,不安はある程度軽減されたものの,子どもを対象とした同様のイベントと比較すると,軽減量は少なく,大人に対する科学教育において,変化や影響を促すためには,知識習得以外にも必要な要素があることが,課題として明らかになった.

収録刊行物

参考文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282681205920256
  • NII論文ID
    110008756637
  • NII書誌ID
    AN1035926X
  • DOI
    10.14935/jssep.35.0_293
  • ISSN
    24332925
    09134476
    21863628
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ