心療内科初診患者における過敏性腸症候群の下位分類と抑うつの評価

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タイトル別名
  • Evaluation of Subtypes and Depression in the Patients with Irritable Bowel Syndrome Who Visited Our Psychosomatic Clinic for the First Time
  • シンリョウナイカ ショシン カンジャ ニ オケル カビンセイ チョウ ショウコウグン ノ カイ ブンルイ ト ヨクウツ ノ ヒョウカ

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抄録

最新のRomeIII診断基準を用いて過敏性腸症候群(IBS)の4下位分類ごとの臨床症状と抑うつを検討した.方法:心療内科を初診したIBS患者358名について,RomeIII診断基準に基づく独自の症状調査票とSDSの記入を依頼した.便秘型62名,混合型46名,下痢型141名,分類不能型(不能型)109名だった.さらに受診目的疾患別に分類し,IBS主体121名,うつ病IBS101名,不安障害IBS83名,その他IBS53名となった.結果:IBS下位分類間で年齢,性別に差はなかった.下痢型,混合型の腹痛は便秘型,不能型より高頻度であった.排便時のいきみ,残便感,直腸肛門のつまり感の頻度は便秘型,混合型,下痢型,不能型の順であった.受診目的疾患別にみるとIBS主体群は下痢型が最多で,不能型はうつ病IBS,不安障害IBS,その他IBS群でIBS主体群より多かった.不能群のSDSは下痢群よりも有意に低値であった.結論:不能群はIBS軽症もしくは不全型と考えられた.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 51 (12), 1111-1119, 2011

    一般社団法人 日本心身医学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (22)*注記

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