成人期および高齢期における咀嚼回数と体格の関連

  • 岩崎 正則
    新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔健康科学講座予防歯科学分野
  • 葭原 明弘
    新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔健康科学講座予防歯科学分野
  • 宮崎 秀夫
    新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔健康科学講座予防歯科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Relationships between the Number of Chewing Strokes during Mastication and Physique in Adults and the Elderly
  • セイジンキ オヨビ コウレイキ ニ オケル ソシャク カイスウ ト タイカク ノ カンレン

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抄録

本研究の目的は咀嚼回数と体格の関連を成人期と高齢期に分けて比較検討し,年代による差異が存在するかどうかを明らかにすることである.2009,2010年に行われた調査に参加した614名を本研究対象とした.煎餅を用いた咀嚼回数の測定を行い,対象者を咀嚼回数24回以下,25〜30回,31回以上の3群に分けた.また身体計測結果から内臓脂肪蓄積,肥満,および痩せを定義した.そして年代(成人期:20〜64歳,高齢期:65〜89歳),性別で層化し,ロジスティック回帰モデルを用い咀嚼回数と体格の関連を評価した.成人期では咀嚼回数が25〜30回の群を基準としたとき,24回以下の群および31回以上の群の男性は内臓脂肪蓄積オッズ比(95%信頼区間)がそれぞれ6.89(1.63-29.1),および6.17(1.39-27.3)であり有意に高かった.さらに24回以下の群および31回以上の群の男性は肥満オッズ比も有意に高かった.(それぞれオッズ比[95%信頼区間]=7.33[1.42-37.8],および8.09[1.50-43.7]).高齢期では咀嚼回数が30回以下の群を基準としたとき,31回以上の群の男性は痩せのオッズ比が有意に高かった(オッズ比[95%信頼区間]=5.76[1.17-28,4]).本研究結果から,男性において咀嚼回数と体格の関連は成人期と高齢期では異なることが示唆された.

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参考文献 (21)*注記

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