前床突起部髄膜腫におけるシルビウス静脈の流出路の検討(海綿静脈洞,I 頭蓋底静脈の基礎と臨床-第22回微小脳神経外科解剖セミナーより-,微小脳神経外科解剖)

  • 石橋 謙一
    大阪市立大学大学院医学研究科脳神経外科学
  • 一ノ瀬 努
    大阪市立大学大学院医学研究科脳神経外科学
  • 永田 崇
    大阪市立大学大学院医学研究科脳神経外科学
  • 森迫 拓貴
    大阪市立大学大学院医学研究科脳神経外科学
  • 後藤 剛夫
    大阪市立大学大学院医学研究科脳神経外科学
  • 大畑 建治
    大阪市立大学大学院医学研究科脳神経外科学

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of Venous Drainage from Sylvian Veins in Clinoidal Meningioma(Microneurosurgical Anatomy)

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抄録

前床突起髄膜腫におけるシルビウス静脈の静脈灌流パターンについて分析した.過去13年間(1995〜2007年)に手術した前床突起部髄膜腫の連続する20例を対象とした.シルビウス静脈の灌流パターンは,主要な静脈経路の名称に従って,cortical type,sphenobasal type,sphenoparietal typeの3型に分類した.手術所見と術後急性期の臨床症状で静脈路温存について評価した.その結果,静脈灌流パターンは,cortical type14例,sphenobasal type5例,sphenoparietal type1例であり,これまでの報告にある正常な灌流パターンとは頻度が逆転していた.Sphenobasal typeでは側頭葉の固有硬膜を腫瘍の外側まで剥離し,主要静脈路を含む硬膜と側頭葉をともに牽引することで,静脈路を損傷することなく十分な術野の確保が可能であった.静脈灌流障害によると思われる脳挫傷がsphenoparietal typeの1例において生じた.その他の症例においては,静脈閉塞によると思われる合併症はなかった.前床突起部髄膜腫では,腫瘍の増大に伴いsphenoparietal sinusが閉塞し,cortical veinやsphenobasal sinusが主要な流出路になると思われる.Sphenoparietal sinusが主要流出経路として残存する例は少ないが注意を要すると思われた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1570572702090753792
  • NII論文ID
    110008790775
  • NII書誌ID
    AN10380506
  • ISSN
    0917950X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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