二次元量子スピン液体の熱輸送現象(最近の研究から)

• 山下 穣

  京都大学大学院理学研究科

• 芝内 孝禎

  京都大学大学院理学研究科

• 松田 祐司

  京都大学大学院理学研究科

書誌事項

タイトル別名

• Thermal Transport Studies of Quantum Spin Liquids(Current Topics)
• 二次元量子スピン液体の熱輸送現象
• ニジゲン リョウシ スピン エキタイ ノ ネツ ユソウ ゲンショウ

抄録

磁性体の持つスピンの長距離秩序が量子力学的揺らぎにより融解した量子スピン液体状態は,長年にわたって論争の続く未知の状態である.最近,幾何学的フラストレーションを持つ二次元三角格子上に反強磁性的相互作用をするスピンが配列した二種類の有機化合物において,量子スピン液体状態の候補物質が発見された.我々は極低温における熱伝導率測定により,これらの系におけるスピン液体状態を調べた結果,ギャップを持たない連続的な励起を持つスピン液体状態が存在することを見出した.特に準粒子がほとんど散乱を受けずに熱を運ぶことや,磁場によって誘起される磁気的でギャップを持った準粒子も共存することなど,スピン液体の興味ある性質の一端が明らかになってきた.

収録刊行物

• 日本物理学会誌

  日本物理学会誌 66 (12), 928-932, 2011-12-05

  一般社団法人 日本物理学会

詳細情報

• CRID: 1390282752348242048
• NII論文ID: 110008799179
• NII書誌ID: AN00196952
• DOI: 10.11316/butsuri.66.12_928
• ISSN: 24238872
• ISSN: 00290181
• NDL書誌ID: 023379870
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I023379870
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可