ヒルシュスプルング病に対するDuhamel変法(Z-shaped colorectal anastomosis)の長期成績 : アンケート調査による術後長期の排便状況

書誌事項

タイトル別名
  • Long-Term Outcome of Modified Duhamel Procedure With Z-Shaped Anastomosis for Hirschsprung's Disease
  • ヒルシュスプルングビョウ ニ タイスル Duhamel ヘンポウ(Z-shaped colorectal anastomosis)ノ チョウキ セイセキ : アンケート チョウサ ニ ヨル ジュツゴ チョウキ ノ ハイベン ジョウキョウ

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抄録

【目的】ヒルシュスプルング病に対する自動縫合器を用いたDuhamel-Z吻合術の術後長期の排便状況を調査するために,患者・家族会を設立するとともに,アンケート調査を行った.【方法】1978〜2010年までに結腸までのヒルシュスプルング病123例にDuhamel-Z吻合(開腹99例,腹腔鏡下24例)を施行した.今回,術後2年以上経過し集団生活にはいる4歳以上の111例の排便状況についてアンケート調査を行い72例(65%)から回答を得た.この内,ダウン症6例と障害児1例の7例を除く65例を対象とした.年齢は4〜34歳(平均18.1歳),手術は開腹手術53例,腹腔鏡下手術12例.これらの結果をI群(4〜6歳)7例,II群(7〜12歳)11例,III群(13〜18歳)18例,IV群(19〜34歳)29例に分け排便状況について検討するとともにスコア化し評価した.検討項目は,(1)緩下剤・浣腸の使用頻度,(2)排便回数,(3)便性,(4)便意,(5)便とガスの識別.(6)肛門びらん,(7)便汚染,(8)便失禁.40点満点でExcellent(E):36〜40,Good(G):31〜35,Fair(F):26〜30,Poor(P):0〜25とした.【結果】緩下剤・浣腸は,6歳までは半数以上に使用され,成長とともに減少し19歳以上では29例中5例(17%)が便秘時のみ緩下剤を使用していた.排便回数は12歳までは全例が2日に1回以上であるが,13歳以上では3日間以上排便がない症例が47例中4例(8.5%)にみられた.逆に19歳以上で1日4回以上の排便が2例にみられた.便性は水様便が多い症例が1例あった.便意や便の識別も13歳以上では93〜94%で常にわかるようになるが,便汚染,失禁は,13〜18歳でも下痢・便秘時に便汚染22%,便失禁11%にみられた.しかし19歳以上では汚染・失禁は皆無であった.排便スコアは,I群:平均33.1(E:3例,G:2例,F:1例,P:1例),II群:平均37.7(E:10例,P:1例),III群:平均38.8(E:17例,G:1例),IV群:平均38.9(E:29例).13歳以上で98%がExcellentとなり19歳以上では全例がExcellentであった.【結論】自動縫合器を用いたDuhamel-Z吻合術の術後長期の排便状況は良好である.

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