視覚障害者(児)の医療福祉(<特集>医療現場と医療福祉) Medical Treatment and Welfare for Visually Impaired

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著者

    • 田淵 昭雄 Tabuchi Akio
    • 川崎医療福祉大学医療技術学部感覚矯正学科 Department of Sensory Science, Faculty of Health and Technology, Kawasaki University of Medical Welfare

抄録

著者が勤務した兵庫県立こども病院(1970年〜1977年)頃の視覚障害者(児)のリハビリテーション・ハビリテーション(眼科リハ)は医療と福祉が個別に機能していた.しかし,川崎医科大学附属病院(1977年〜2004年)時代には,両者が重なる総合的眼科リハが徐々に進み,当大学感覚矯正学科(1992年〜現在)の期間は両者の協働時代になっている.この「視覚障害者(児)の医療福祉」の変遷を著者の経験から述べた.(1)1970年〜1977年における眼科リハ(小児):日本では視覚障害児専門施設が少なかった.しかし,米国でのBlind Childrens Centerでは眼科医,精神科医,視覚障害ケースワーカーなどがチームとなった眼科リハが施行されていた.(注:Blind Childrens Centerは何故かChildren'sではないのが正式名称のようである.)(2)1977年〜2004年における眼科リハ:岡山県下には視覚障害者(児)の訓練施設は無く,川崎医大病院眼科外来にて眼科医や視能訓練士よる視覚障害者の眼科リハを行った.1993年からは眼科ケースワーカーを加えた眼科リハ・クリニックを開始した.2000年に日本ロービジョン(Low Vision:LV)学会が創設されて以来,眼科医,視能訓練士,教育,福祉,行政,内科医や光学・工学関係者などの会員が学際的LV研究を行っている.(なお,LVとは日常生活などで何らかの支援が必要な状況にある視覚障害を意味している.)学会の設立は全国各地でのLVクリニック開設を促した.岡山県(地域)眼科リハについては,2010年の県下の視覚障害者は約2万5千人,眼科医が約250人であるので,眼科医1人で約100人のLV者の対応が必要である.Lケアの診療報酬化が実現されればLVクリニックの普及が進むだろう.一方,ボランティア組織の「岡山県視覚障害を考える会」とか各種患者団体の会が活動している.(3)1992年〜現在までの当学科視能矯正専攻でのLVケア教育と研究:1993年からLV学の教育,学部の卒業研究と大学院の研究でLV関連の研究を行っている.2003年から教育カリキュラムの中にLV学が取り入れられた.研究では科学的に裏付けされた多くの知識と技術が明らかとなった.「視覚障害者(児)の医療と福祉」は科学的な研究と教育によって発展している.

収録刊行物

  • 川崎医療福祉学会誌

    川崎医療福祉学会誌 21増刊, 401-408, 2012

    川崎医療福祉大学

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    110008919258
  • NII書誌ID(NCID)
    AN10375470
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    Departmental Bulletin Paper
  • 雑誌種別
    大学紀要
  • ISSN
    09174605
  • NDL 記事登録ID
    023629771
  • NDL 請求記号
    Z6-3791
  • データ提供元
    NDL  NII-ELS  IR 
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