二条院讃岐の実人生(二) : 後半生を中心に

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タイトル別名
  • ニジョウイン サヌキ ノ ジツ ジンセイ(2)コウハンセイ オ チュウシン ニ
  • The Real Life of Nijoin-Sanuki; The Latter half of Her Life (2)

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抄録

本稿では讃岐の三十九歳から四十一歳までの実人生を検証した。治承四年(一一八〇)に父頼政と兄仲綱とを失い、治承五年(一一八一)には皇嘉門院の崩御により、讃岐の身辺は急に寂しくなった。兼実息の良通と良經は二人とも詩と連句に対して非凡な才能を持っている。世は詩と連句に興趣を感じる時代になっており、兼実家では文士たちを招き詩と連句会を催している。連句会には兼実自身の参入と讃岐の同席も明らかになったので、良通と良經と讃岐の係わりが明らかになった。従って讃岐の和歌には詩や連句の知識が豊かに取り入れられていると云えよう。体調不良の兼実は讃岐が傍らに居なければ、生きて行くことは出来なかったであろう。世間に対して自分の代理をさせ、兼実家にとって最主要な人物として、讃岐を遇している兼実である。本稿の検証結果は讃岐研究にとって大きな前進である。

代理

良通

良經

歌集

連句会

identifier:DB004000003115

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