『長阿含経』のギルギット写本に含まれる二つのLohitya-sutra The Two Lohitya-sutras in the Dirghagama Manuscript

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Abstract

1990年代の中頃,パキスタンのギルギットから〔根本〕説一切有部教団が伝承した梵文『長阿含経』の樺皮写本が発見された.写本は完全な形で残っていたなら454葉よりなる巨大写本であったが,前半部は痛みが激しく,回収されたのは後半部約250葉と多数の断片であった.写本の予備的な分析の結果,〔根本〕説一切有部教団の『長阿含経』が,第1編「六経品」全6経,第2編「双品」9組のペアー経典よりなる全18経,第3編「戒蘊品」全23経の,3編47経から構成されることが判明した.この中,私は,第3篇「戒蘊品」に含まれる第25経,さらに第27経と第28経の計三経典について,ミュンヘン大学のイェンス=ウヴェ・ハルトマンと佛教大学の松田和信の指導を受けながら,ミュンヘン大学に提出予定の学位請求論文の一部として,それら三経典の解読研究を行っている.その中,第27経と第28経は写本に現れるウッダーナ(項目,目次)から判断して,両方ともLohitya-sutraの同一タイトルで呼ばれていたことが知られる.パーリ長部の第12経(Lohicca-sutta)は,これら二経典の第28経の方に対応し,第27経はパーリ三蔵にも漢訳『長阿含経』にも対応経典の存しない〔根本〕説一切有部独自の経典である.今回の発表では,二つのLohitya-sutraの内容と解読研究の現状を報告し,なぜ同名の二つの経典が同じ『長阿含経』中に存在するのかを考察した.

Journal

  • Journal of Indian and Buddhist Studies (Indogaku Bukkyogaku Kenkyu)

    Journal of Indian and Buddhist Studies (Indogaku Bukkyogaku Kenkyu) 60(3), 1200-1203, 2012

    Japanese Association of Indian and Buddhist Studies

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    110009425720
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AN00018579
  • Text Lang
    ENG
  • ISSN
    0019-4344
  • NDL Article ID
    023527526
  • NDL Call No.
    Z9-55
  • Data Source
    NDL  NII-ELS  J-STAGE 
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