科学技術文明と日本人の自然観

書誌事項

タイトル別名
  • Technologische Zivilisation und Natursicht der Japaner
  • カガク ギジュツ ブンメイ ト ニホンジン ノ シゼンカン

この論文をさがす

抄録

日本は、規模、頻度、種類のいずれにおいても、世界でも突出した自然災害大国であるが、本年三月の東日本大震災が、人類が経験した過去の自然災害と異なるのは、自然災害に加えて、原子力発電所の損壊と放射能汚染も起こったというところにある。この震災を機に私達が考えなくてはならないのは、単に原発維持か原発廃止かというレヴェルの問題だけではない。より根本的な問題があり、それは、科学技術というものをどのように考えるかという問題であって、この問題は、人は自然といかに関わるかという問題と切り離せない。現代の科学技術文明の根底にある西洋的自然観は、少なくとも西洋文明導入以前の日本人の自然観とは非常に異質なものであったし、西洋的自然観は、現代においてもなお、日本人にとって必ずしも自明な自然観ではない。このことの中に、今回の問題を根本的に考える際の、一つの手掛かりがあるのではないだろうか。

収録刊行物

  • 人間と環境

    人間と環境 2 (0), 143-162, 2011

    河原学園 人間環境大学

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ