諌早湾および隣接する調整池における底質の栄養塩分布

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タイトル別名
  • Distribution of nutrient concentration in the sediment of Isahaya Bay and the adjoining regulating reservoir
  • 諫早湾および隣接する調整池における底質の栄養塩分布
  • イサハヤワン オヨビ リンセツ スル チョウセイチ ニ オケル テイシツ ノ エイヨウエン ブンプ

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抄録

<p>1997年,諌早湾に潮受け堤防が建設されて以来,調整池底質の栄養塩調査はあまり行われてこなかった。今後予想される排水門の開放に伴う底質の巻き上げの影響を評価するため,2011年2月に諌早湾8地点と調整池5地点、の底質調査を行い,栄養塩分布を調べた。底質問隙水のNH4-N濃度とPO4-P濃度は,諌早湾と調整池で有意差(P>0.05)はなかった。開門に伴い調整池全域の底質が深さ10 cmまで巻き上がった場合における間隙水からの栄養塩放出量を試算した結果,NH4-N量は7.1 t (5.1 x 105 mol), PO4-P量は1.0 t (3.2 x 104 mol) と見積もられた。底質の平均吸着態NH4-N量は,諌早湾で1.8 μmol gDW-1, 調整池で8.0 μmol gDW-1であり,有意差(Pく0.05)があった。これは淡水化で塩分の低下した調整池底質のNH4-N吸着能が高まった結果と考えられた。開門に伴う調整池の塩分増加により調整池底質からNH4-Nが脱着し,海水に拡散する可能性がある。そのため,開門に伴う諌早湾と調整池の栄養塩濃度変化を正確に予測するには,底質の巻き上げの程度や脱着するNH4-N量について詳細な検討が必要である。</p>

収録刊行物

  • 海の研究

    海の研究 21 (3), 69-81, 2012-05-15

    日本海洋学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (41)*注記

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