基質誘導呼吸(SIR)法による微生物活性の測定

書誌事項

タイトル別名
  • Measurement of microbial activities by the substrate-induced respiration (SIR) method
  • キシツ ユウドウ コキュウ SIR ホウ ニ ヨル ビセイブツ カッセイ ノ ソクテイ

この論文をさがす

抄録

グルコースのような基質を添加し土壌の呼吸速度を測定するSIR法は,土壌微生物のバイオマスあるいは活性を評価する方法として,森林土壌,草地土壌,および畑土壌に適用されている。SIR法に抗生物質を用いた選択阻害を併用することにより,糸状菌と細菌の寄与の程度を評価することができるが,その指標としてF:B比が広く用いられる。SIRの測定条件や得られる呼吸速度の値は土壌の違いや微生物の構成によって大きく異なる場合があるので,異なる生態系から採取された土壌の比較等には注意を要する。しかし,同一の土壌で環境の変化や管理方法の効果を解明する際にはSIR法は簡便で利用価値が高い。例えば保全型耕起を実施すると,慣行耕起に比べて土壌表層付近のSIRは高くなるが,それより下の層ではSIRが低くなること等が示される。なお,SIR法はリターに生息する微生物の活性の測定にも適しており,リターバッグを用いた有機物分解過程の研究にも頻繁に用いられている。

収録刊行物

  • 土と微生物

    土と微生物 60 (1), 17-27, 2006

    日本土壌微生物学会

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

参考文献 (56)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ