超低出生体重児に対する"Sutureless Enterostomy"

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タイトル別名
  • New "Sutureless Enterostomy" for Extremely Low Birth-Weight Infants
  • チョウテイシュッショウ タイジュウジ ニ タイスル"Sutureless Enterostomy"

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抄録

【目的】超低出生体重児(extremely low birth-weight infant: ELBWI)の生存率上昇に伴い,胎便関連性腸閉塞や特発性限局性腸穿孔に対する小腸ストーマ造設の機会が増加している.ELBWIではストーマ造設術後のストーマ関連合併症(壊死,穿孔,狭窄,脱落,腸管脱出,創感染等)が多いと言われ,これらの合併症は発生すると再手術を要することも多く,治療経過に大きく影響する.我々はELBWIに対する新しいストーマ造設術式としてsutureless enterostomy(以下,本術式)を考案し,施行したのでそれらの症例について検討した.【対象・方法】2007年から2010年の3年間に当院にて小腸ストーマ造設を要した症例に対して本術式を行ったELBWI 6例を対象に,患者背景,手術時期・時間,ストーマ関連合併症,予後などについて検討した.【結果】出生体重は628g±101g(平均±標準偏差)であった.診断は胎便関連性腸閉塞が3例,限局性腸穿孔が1例,壊死性腸炎が2例で,男児が5例,女児が1例であった.手術は日齢2から日齢38に行われ,手術時間は43分から84分であった.ストーマ関連合併症については,早期合併症の腸管壊死・穿孔,創感染は認めなかった.後期合併症の腸管脱出(外翻脱出)やストーマ周囲皮膚炎は見られなかったが,傍ストーマヘルニアを1例に認めた.予後は2例が術後早期に敗血症にて死亡した.【結論】ELBWIに対するストーマ造設術式として本術式は簡便で,安全な合併症の少ない術式と考えられた.

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参考文献 (18)*注記

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