漂流ゴミ流入量に対する逆推定手法の東京湾への適用性と 推定結果の水平拡散係数依存性

  • 片岡 智哉
    国土技術政策総合研究所沿岸海洋研究部沿岸域システム研究室
  • 日向 博文
    国土技術政策総合研究所沿岸海洋研究部沿岸域システム研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Applicability of the Inverse Method for Estimation of Drifting-litter Inflows to Tokyo Bay and Its Dependence on Horizontal Diffusivity
  • ヒョウリュウ ゴミ リュウニュウリョウ ニ タイスル ギャクスイテイ シュホウ ノ トウキョウワン エ ノ テキヨウセイ ト スイテイ ケッカ ノ スイヘイ カクサン ケイスウ イソンセイ

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抄録

短波海洋レーダによる観測結果を用いた中立粒子実験に基づき,東シナ海を対象として開発された双方向粒子追跡法とラグランジュ未定乗数法による逆推定法の東京湾への適用性を確認した.特に水平拡散係数が流入源と流入量の推定精度に及ぼす影響について詳細に検討した.その結果,流入源位置の推定精度が10km 以内,流入量の推定精度は0.9から1.6倍程度であることが明らかとなり,これら推定方法の東京湾への適用性が確認できた.真値に対して過大な水平拡散係数を計算に使用すると中立粒子の拡散スケールが実際よりも大きくなるため間違った流入源位置を特定する可能性が高くなる.流入量についても真値に対して過大な水平拡散係数を与えると同様な理由から流入量は過大に推定される.しかしながら,その影響の度合いは線形ではなく,真値に対して2倍程度の水平拡散係数を計算に用いれば推定精度は1.6倍程度,真値に対して1オーダー大きい水平拡散係数を用いた場合でも推定精度は6から7倍程度である.

収録刊行物

  • 沿岸海洋研究

    沿岸海洋研究 49 (2), 113-126, 2012

    日本海洋学会 沿岸海洋研究会

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