<症例報告>重篤な乳酸アシドーシスを合併したびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫

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  • ショウレイ ホウコク ジュウトクナ ニュウサン アシドーシス オ ガッペイシタ ビマセンセイ ダイサイボウガタ Bサイボウセイ リンパシュ

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抄録

症例は67歳,女性。発熱と頸部リンパ節腫脹を認め,他院に入院した。入院後,肝機能障害の増悪と血小板減少の進行,さらに末梢血中への異常細胞の出現を認めた。頸部リンパ節生検後にステロイドパルス療法を開始したが,意識障害と呼吸状態の悪化を認め,当院に転院した。転院時,pH7.238,乳酸値15.9 mmol/? と高度の乳酸アシドーシスを認めた。転院後の第3病日に右脳内出血を併発し,第9病日に永眠された。経過中,リンパ節生検結果よりびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)と診断した。重篤な乳酸アシドーシスを伴った原因としては,腫瘍細胞からの乳酸産生の亢進や,剖検により確認された腫瘍細胞の肝浸潤による肝機能障害からの代謝の遅延などが想定された。悪性リンパ腫の経過中に乳酸アシドーシスを合併した症例の報告例は極めて少なく,予後不良であるが,その要因および治療に関して文献的な考察を加えて報告する。

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