災害サバイバル市民をめざすセルフケア支援(第2報) : 年齢および受診有無別の防災意識および医療面への対処力の分析

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  • サイガイ サバイバル シミン オ メザス セルフ ケア シエン ダイ2ホウ ネンレイ オヨビ ジュシン ウムベツ ノ ボウサイ イシキ オヨビ イリョウメン エノ タイショリョク ノ ブンセキ

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抄録

都市部の一般市民を対象として、年齢別に災害に対する意識と準備状況、および医療面への対処を明らかにした。方法は、無作為抽出した世帯を対象に自記式質問紙調査票を戸別配付し、郵送で回収した。質問項目は属性(性、年齢、家族構成など)、居住環境の災害発生への認識と準備状態、被災後の生活へのイメージ、災害時の受診可能な拠点病院認知と災害後の行動に対する認知、災害後に発生しやすい病気に対する予防法認知などである。調査票は5000部配布し1327名(26.5%)から回収された。対象を壮年群(59歳以下)、前期高齢者群(79歳以下)、後期高齢者群(80歳以上)に分け分析した。災害時に受診できる医療機関の認知では、後期高齢者群のほうが有意に高かったが、「家族の診断名を言える」「心肺蘇生法を知っている」は壮年群のほうが高かった。現在、受診中群では「他者に自分の健康状態を言える」「自分の診療中の診断名が言える」は、どの年齢群も“言える"と回答していたが、「他者に家族の服薬名を言える」には多数が“言えない"とし、「家族の診断名を言える」「治療中の内服薬をもって避難できる」には“できる"と“できない"がほぼ半数であった。災害後に発生しやすい疾患予防については、「肺炎」「インフルエンザ」については半数以上が“知っている"としていた。「深部静脈血栓症」は壮年群に“知っている"割合が多かったが、「疥癬」については全年齢群で“知っている"割合が低かった。以上より、平時から災害が起きた時を想定した健康な生活をできるだけ維持できるような知識と準備状態を高めることの必要性が示された。また、現在受診中の場合には診断名や服薬名を伝えられるようにしておくことを、認識してもらうことの必要性が示された。

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