社会、他者、倫理および人格の存在論的意義について : - 存在概念の由来に関する試論 -

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タイトル別名
  • Preliminary essay on the origin of the ontology : - Society, others, ethic and personality. -

抄録

哲学は伝統的に自我の概念を議論の出発点にしてきた。ニーチェはこれを批判し、霊魂への信仰がすべての存在概念の起源としての自我概念となったとしている。つまり、自我概念は形而上学の由来であり、存在概念の由来なのである。論理学や数学もまた不変の存在者の実在の仮定によって存在論的な意味を持ち、諸学における有効性を得ている。ニーチェが形而上学の由来と考えた自我は、さらに人間の倫理的な思考を由来としている。他者の概念がそれである。自我は他者から、つまり、倫理から由来したのである。そして、自我こそが人間存在の特殊性の根拠であるとしたならば、その根本は他者の把握・他者に対する態度の変容によって変わってくる。つまり倫理的態度(人格)が存在を変えるということになる。他者(人間以外を含む)に対する態度、倫理、人格の多様性は、「存在」の多様性の可能性、世界の開かれ方の多様性を帰結するのである。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282681204652160
  • NII論文ID
    110009555681
  • DOI
    10.24648/uheoka.4.0_1
  • ISSN
    21858373
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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