「民主」と「共和」 : 近代日中概念の形成とその相互影響 (岩本修巳名誉教授退任記念号) "Democracy" and "Republic" : The Emergence of Modern Concepts in Chinese and Japanese and their Interdependence (Special Issue in Honour of Professor Osami Iwamoto)

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抄録

近代の西洋においてdemocracyとrepublicはもともと区別のつきにくい概念であった。その二つのことばに対して、19世紀半ばころまでは中国では「民主」、日本では「共和」と、各々異なった漢語訳語を当てていた。いわば中日言語の没交渉の時代があっての産物だった。19世紀後半になると、漢訳洋書や英華字典の日本への流入によって、中国語の「民主」は日本語に入って、まずrepublicの意味において「共和」と類義関係をなすようになった。一方、19世紀末期に来日していた中国人は日本語の「共和」を持ち帰っていって中日両国語にともに「民主」「共和」が使われるようになった。こうしてrepublic=「共和」の対訳が固まるにつれてdemocracyと「民主」との意味結合も徐々に多くなってきた。さらに明治後期の日本においてdemocracyを「民主主義」やカタカナ語の「デモクラシー」へと訳され、政体を表す「民主」との意味区別を図るようになった。20世紀の初めころ、「民主主義」の言い方も中国へ伝わり、democracyとrepublicは最終的に「民主」と「共和」に対訳するように、意味の棲み分けをするようになった。

収録刊行物

  • 成城大學經濟研究

    成城大學經濟研究 (194), 9-35, 2011-11

    成城大学

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    110009557639
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00127472
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    Departmental Bulletin Paper
  • 雑誌種別
    大学紀要
  • ISSN
    03874753
  • NDL 記事登録ID
    023605605
  • NDL 請求記号
    Z3-372
  • データ提供元
    NDL  NII-ELS  IR 
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