全身麻酔下手術の際気道内出血で発見された気管癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Tracheal Cancer Detected by Examination for Airway Bleeding Under General Anesthesia

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抄録

背景.原発性気管癌はまれな悪性腫瘍であり,通常は増大した腫瘍による呼吸器症状などを契機に発見される.症例. 72歳の男性.喘鳴を主訴に12カ月間気管支喘息として治療中であった.しかし他疾患で全身麻酔中に気道内出血を認めた.術中の気管支鏡検査で原発性気管癌を認め,当院に紹介された.下部気管から左主幹にかけて広範に浸潤し,切除不能であったため集学的治療を行った.腫瘤は著明に縮小し,気道狭窄の消失が観察された.効果はcomplete responseであった.治療後3年6カ月経過したが再発は認めていない.結論.原発性気管癌に特異的な症状はないため,その診断が遅れ,致命的な気道閉塞などを招くことがある.気管支喘息診断の際には,鑑別診断の一つとして原発性気管癌を念頭におく必要がある.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 34 (6), 626-630, 2012

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (10)*注記

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