第一コリント11章30節についての一考察 : 暴飲暴食、混入物?

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タイトル別名
  • A study of 1 Corinthians 11:30 : gluttony, poison?
  • ダイイチ コリント 11ショウ 30セツ ニツイテノ イチコウサツ : ボウイン ボウショク、コンニュウブツ?
  • 第一コリント11章30節についての一考察 : 暴飲暴食混入物

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抄録

1コリント11章で問題となっている「主の食卓」について、従来の研究ではサクラメントとしての聖餐や聖体(パンとぶどう酒)、あるいはキリストの臨在についてなどおもに宗教的、神学的考察対象として扱ってきた。他方、パウロが明言している「主の食卓」と信徒の病気・死亡の関係はほとんど積極的には考察されてこなかった。本小論ではその因果関係をギリシア・ローマ世界に根付いていた「饗宴(συμπόσιον、convivium)の文化」から解明を試みる。最近の研究により「主の食卓」の問題はキリスト教会特有のものではなく、ギリシア・ローマの食事会という伝統的社会制度に起因していることが分かってきている。本小論は暴飲暴食がひとつの重要な要因であったこと、そして不純物が食卓に混入された可能性があることを論述する。この仮説は、ギリシア・ローマ世界に「饗宴の文化」が普及していたこと、そして都市コリントに住むキリスト教信者がその文化を享受していたことを考慮するならば、全くの見当外れとは言えないことが分かるだろう。

収録刊行物

  • 基督教研究

    基督教研究 73 (1), 13-25, 2011-06-27

    基督教研究会

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